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[映画]デスノート後編 the Last name
2006年 12月 17日
デスノート後編の劇場公開がほぼ終了したみたいですね。
感想を書こうにも、ネタバレに直結する要素を除いてしまうと、ほとんど何も残らなかったので、書けなかった映画のレビューをやっと書けます。といっても、「ラスト10分のためにに他の全ての要素が凝縮されている映画」なので、観る前からストーリーがわかってしまうような致命的なネタバレは白文字にしてみました。 この映画は、日本映画としてはかなりアグレッシヴな作品ですよね。日本映画の真骨頂というか得意分野は、静かで緻密な心情描写と、ハリウッドと比べると芸術性を意識した作品作りにあると、僕は思います。そうではなく、完全にエンターテインメントとして作られ、高い質を追求した姿勢は実に新鮮でした。また、作品としても構成に妙があり、原作の冗長な部分をうまく省いて緊張感を最後まで持続させています。 正直、原作の展開はLの死後まで続かせるなど、無理に引き伸ばしたような印象があります。ほんとなら、月とLの一騎打ちで物語は終わるはずだったのに、その後の世界を書いて書ききれなかった・・ってな感じです。漫画版ラストが批判を受けているのも、仕方のないことかもしれませんね(僕もイマイチ好きではない)。ドラゴンボールの「もうちょっとだけ続くぞよ」といいつつ、どこまで続くんだ!みたいなジャンプの悪癖(?)が出ていたような。 それを映画版でキチンと決着をつけたところは評価に値すると思います。Lがデスノートを押収してから月にやられっぱなしの末に死んでしまったことに、違和感というか物足りなさを感じていた人は、この映画版のラストを気に入るのではないでしょうか。 それにしても2時間半は長い・・。ラスト10分のために140分もつぎ込んでいるわけですからね。高田清美パートのあたりでは少し観るのに疲れを感じてしまったほどです。構成上仕方ないとは思いますけどね。もし、原作が好きでまだ映画版を観ていないという方がいらしたら、是非DVDでご覧になられることをお勧めします。 やっぱ、Lはこうでなくちゃ!ニアでは少し物足りないよぅ。 以下激しくネタバレを含んだ感想に入ります。映画を観た方だけ、良ければドラッグして読んでみてくださいな^^ 「the Last name」という副題を観たときから、最後に名前を書かれるのは夜神月だと思っていました。実際そうだったわけですが・・。そのことに異を唱えるつもりはないけれど、この後編の月は、あまりにも「悪」のキラになっているところが少し残念なのです。 漫画では、「自分の行為を悪と知りつつ、世の仕組みでは裁けない悪を断罪するため、あえてデスノートを使う」という姿勢が少し見えるのですが、映画版ではそれがなかった。ラストシーンで漫画版と同様に月はリュークにすがるわけですが、このシーンなんとかならなかったのかな。 ここで、「キラとしての行動は正義と考えていたが、悪でもあるとも十分承知していた」というような台詞のあとに、リュークに対して自分の名前を書き入れるように言い放つ。そして、死ぬ。その方が「キラ」としてのキャラは立っていたように思いますがいかがでしょう?Lは自分の意思で自分の名前をデスノートに書き込んだ。ならば、それに並び立つキラ(月)にも、同じくらいの覚悟と行動が欲しかった。そう思います。 なんだか、Lの復権ばかり目立ってしまい、月がただのピエロと化したラストは悲しかったです・・。もちろん漫画版のラストをイメージして作られたものだとはわかっているのですけど。それと、あのシーンでいきなり「神になるんだ」と言い出すのは少し飛躍しているように思う。漫画版ではLの死後しばらくの間キラとして君臨していたわけで、その間に月の中でキラとしての意識が肥大化し、神を名乗るのはわかるんですけどね・・。 このデスノートのテーマは、単純な正義対悪ではないので、そのあたりもラストシーンに盛り込んで欲しかったな。贅沢な望みと知りながら。 (終)
by lars.ff11
| 2006-12-17 13:35
| 音楽&ゲーム
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